第12頁 テキーラ人気の陰で異変 アガベ価格が暴落【メキシコ発】

グアダラハラ市、2026年7月24日 — メキシコを代表する蒸留酒テキーラの原料となるアガベ(リュウゼツラン)の価格が急落し、産地では畑の放棄や病害虫の拡大が問題となっている。テキーラ規制委員会(CRT)は監視体制を強化する方針だが、広大な栽培地域の実態把握は容易ではないとしている。

CRTのアウレリオ・ロチャ会長によると、採算が取れないとして放棄された畑では病害虫が発生しやすく、周辺の農園へ被害が広がる恐れがある。どれだけの栽培面積が放棄されているかについて、現在も調査を進めている段階だという。

原産地呼称の対象となる5州181自治体には約51万1,000ヘクタールのアガベ畑が広がり、約17億本が栽培されている。しかし2024年以降の過剰生産により価格は急落し、アガベ1キロ当たりの買い取り価格は一時、登録農家でも0.8~8ペソまで落ち込んだ。ピーク時と比べると約92%の下落になる。

価格暴落の影響は約5,900戸の生産者に及んでいる。ロチャ会長は、現在のアガベ供給量は需要の少なくとも3.5倍に達していると指摘し、「需要を拡大し、供給をより適切に管理することが必要だ」と述べた。また、誰でも自由にアガベを栽培できるため、生産量を人為的に抑えることは難しく、供給過剰を防ぐ有効な手立ても限られていると指摘した。

一方、2026年上半期はテキーラ生産量が前年同期比1.7%減少したものの、アガベ消費量は3%増加し、テキーラ輸出も主力市場の米国向けを中心に3%伸びた。業界では、中長期的には需要拡大によって需給バランスが改善することを期待している。(EFE)

メキシコ・ハリスコ州のアガベ畑(イメージ画像)

アガベの収穫は植え付けから通常6~8年ほどかかります。そのため、アガベの買い取り価格が高騰すると生産者は栽培を増やしますが、収穫期を迎える頃には供給過剰となり、価格が暴落するというサイクルを繰り返しています。

さらに、テキーラはメキシコ政府が保護する原産地呼称制度の対象で、原料にはハリスコ州を中心とする限られた地域で栽培されたブルーアガベしか使用できません。栽培地域や原料が限定されていることも、需要の変化に応じて供給を柔軟に増減させにくい要因となっています。(編集部)

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