第10頁 国立博物館建設にSANAA率いる共同チームの設計案を採用【エクアドル発】

キト市、2026年7月19日 — エクアドル政府は19日、新設される国立博物館(MuNa)の設計コンペで、日本の建築家ユニットSANAAが率いる共同チーム(SANAA+A0-CPA-JHSの設計案「Estratos Vivos(仮訳:息づく地層)」を最優秀案に選定したと発表した。当初選ばれていたスペイン・エクアドル共同チームの案がSNS上で批判を受けて見直されたことから、再審査が行われていた。

ロベルト・ルケ運輸・公共事業相によると、専門家による技術評価85%と市民投票15%を合わせた総合評価の結果、「Estratos Vivos」は81.7点を獲得し、新国立博物館の設計案に決定した。市民投票には5万681人が参加した。

同相は「今日から新たな段階が始まる。私たちは博物館を建設するだけでなく、キト、エクアドル、そして地域全体を象徴する文化・建築のランドマークを築く」と述べた。

同案は、歴史、文化、自然景観を重層的に結び付ける設計が特徴。水平に重なる層は時間の積み重ねを表現し、中庭や吹き抜けなどの垂直空間が各階をつなぐ。また、円形を中庭や広場、動線計画の主要な要素とし、先住民社会の集会や儀式の空間に着想を得ている。

再審査には前回コンペの上位10チームが参加し、建築デザイン、機能性、持続可能性、都市との調和、展示計画などを基準に技術審査が行われた。

当初は、スペイン・マドリードとエクアドル・キトの建築事務所「Campo Baeza+MAODA」による「Ecos del Sol」(仮訳:太陽の響き)が17案の中から最優秀案に選ばれていた。しかし、SNS上で批判が相次ぎ、ロミナ・ムニョス文化副大臣とカルロス・モンタルボ館長が辞任したことを受け、政府は選定を白紙に戻していた。

新国立博物館はキト北中部に建設される予定で、事業費は1億ドル。約120万点の文化・歴史資料を収蔵し、約1万2,000年に及ぶエクアドルの歴史を伝える国内最大の博物館となる。(EFE)

エクアドル国立博物館(MuNa)の完成予想図(エクアドル運輸・公共事業省提供)

SANAAは妹島和世氏と西沢立衛氏による日本の建築家ユニットです。透明感のある作風が世界的に高く評価され、2010年には建築界最高峰のプリツカー賞を受賞しています。代表作には金沢21世紀美術館、ルーヴル美術館ランス別館(フランス)、ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート(米ニューヨーク)などがあります。

なお、コンペでは作品名について、「Living Strata | Estratos Vivos」と表記されていましたが、本記事では便宜上、日本語による仮訳を付しました。(編集部)

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