第17頁 廃タイルをアートに 女性集団Kuska【ボリビア発】

ラパス/コチャバンバ市、2026年8月23日 —ボリビア中部コチャバンバで、女性アーティスト集団「Kuska(クスカ)」が、廃棄された陶器やタイルを使ったモザイクアートを通じ、公共空間の再生と女性の経済的自立に取り組んでいる。

Kuskaは13年前、コチャバンバの芸術文化拠点「Proyecto mARTadero」の活動の一環として誕生した。設立の目的は、地元ビジャ・コロニージャ地区の女性たちに、タイルや陶器の破片を使ったモザイクアートを学ぶ場を提供し、経済的自立や自信の回復を後押しすることだった。当初は学生から年配の女性まで約15人が集まり、世代を超えて作品づくりに取り組んだ。現在は7~8人が活動している。「Kuska」はケチュア語で「一緒に」を意味し、結成以来、さまざまな困難をともに乗り越えてきた女性たちの姿勢を表している。

作品に使用するのは、路上や建設現場などで集めた不要な陶器や、店から仕入れた割れたタイルだ。女性たちはそれらを専用の工具で小さく切り分け、形を整えながら組み合わせ、色鮮やかな絵や模様へと生まれ変わらせる。Kuskaのコーディネーター、マリア・レネ・カマチョ氏は、捨てられた素材に「新たな機会」を与える活動だと説明する。同時に、工房に集う女性たちにとっても、自分自身に「第二の機会」を与える場所になっているという。

活動の大きな柱となっているのが、女性を題材にした公共空間での壁画制作だ。2014年には、ボリビアにおけるフェミニズムの先駆者の一人とされる詩人アデラ・サムディオの名を冠した劇場に最初の壁画を制作した。女性の顔とコチャバンバの風景、サムディオの詩の一節などを組み合わせた作品で、これを機に女性をテーマとする作品を街に増やしていく方向が定まった。

その後はコチャバンバの街路や広場だけでなく、スクレやタリハなど国内各地に活動を拡大した。チリ北部アリカでも現地の女性にタイルを使ったモザイクアートの制作技法を教え、共同で壁画を制作した。コチャバンバのサン・ラファエル通りにラテンアメリカの著名女性36人を描いた作品は、2017年にエドゥアルド・アバロア現代芸術賞を受賞している。

現在は公共空間での制作依頼に加え、mARTadero内の店舗で小型作品なども販売する。収益はグループの活動を支えるとともに、メンバー自身の収入にもなっている。廃材に新たな命を吹き込みながら、女性たちもまた「一緒に」自らの可能性を広げている。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次