アスンシオン市、2026年8月1日 —パラグアイでは毎年8月1日、サトウキビ蒸留酒にヘンルーダ(薬草)とレモンを加えた伝統酒「カルリム(Carrulim)」を飲み、病気や災いを払い、健康や幸運を願う風習が今も受け継がれている。
カルリムはもともと、この時期に流行するインフルエンザなどの呼吸器疾患を防ぐ民間薬として広まったものだ。現在では市販の風邪薬が普及したものの、厄除けや健康祈願の意味合いが強まり、消化促進や抗炎症作用、抗酸化作用、免疫力向上などの効能を期待する人も多い。
習わしでは、8月1日の朝に空腹の状態で7口飲むと、病気を遠ざけ、幸運を呼び込むとされる。一度に飲まず、時間を空けながら口にする人もおり、男性の間では活力や精力を高める縁起物として親しまれることもある。
文化振興活動に携わるクレメンテ・カセレス氏によると、カルリムはスペイン植民地時代にもたらされたヘンルーダやサトウキビ蒸留酒、レモンを材料として作られるようになった。一方で、先住民グアラニーの薬草文化にも同様の伝統があり、在来の薬草を用いた飲み物は現在も各地で受け継がれているという。
パラグアイでは2019年から、毎年8月1日を「ポハ・ニャナ(Pohã Ñana、グアラニー語で「薬草」の意)の日」と定め、薬草文化やカルリムの伝統を継承する取り組みが行われている。(EFE)

パラグアイでは2019年から、毎年8月1日を「ポハ・ニャナ(Pohã Ñana、グアラニー語で「薬草」の意)の日」と定め、薬草文化やカルリムの伝統を継承する取り組みが行われています。
カルリム(Carrulim)いう名前は、アルコール度数35~45%程度のサトウキビ蒸留酒「カーニャ」(caña)、ヘンルーダ(ruda)、レモン(limón)の頭文字を組み合わせたものです。8月1日は「カルリムの日」として広く親しまれる一方、2019年には政府が同日を「ポハ・ニャナの日」に制定し、薬草文化全体を顕彰する記念日ともなっています。
パラグアイの隣国アルゼンチン北東部でも、ヘンルーダを漬け込んだサトウキビ蒸留酒を飲む風習があり、こちらは材料名そのままの「カーニャ・コン・ルーダ」と呼ばれています。病気や災厄を払い、健康や幸運を願うという意味合いはパラグアイのカルリムと共通しており、グアラニー文化圏に根付く伝統として受け継がれています。
ヘンルーダは地中海原産のミカン科の多年草で、古くからヨーロッパでは薬草として利用されてきました。強い香りを持ち、消化促進や虫よけなどに用いられるほか、邪気を払う植物としても信じられています。スペイン植民地時代に南米へ伝わり、先住民グアラニーの薬草文化と結び付いて、現在のカルリムやカーニャ・コン・ルーダの伝統につながったと言われています。(編集部)

